常連さんは国境を越える、心から飲みたいカクテルに出会う店

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昨晩、たまたま目にとまった番組に想う事がありました。毎週月曜日に放送のNHK番組、『プロフェッショナル 仕事の流儀』から。ご覧になっている方も多いかと思いますが、毎回その道のプロに仕事の極意を問う番組であります。

私自身、毎週見ている番組ではなかったのですが、軽妙な手つきでステアするバーテンダーの姿に目を奪われてしまいました。バーの激戦区・銀座に店を構える岸 久さんは31歳の時に世界最高峰のカクテルコンクールで優勝を果たしバーテンダーとして初の「現代の名工」に認定された腕の持ち主です。

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引用:http://www.nhk.or.jp/professional/2016/0215/index.html

釘付けになった場面は、まさにその名工ぶりが光る瞬間でした。岸さんのこだわりはジントニックやハイボールを作るときの氷までにも至ります。グラスのふちに四隅がぴたりと合う四角い形のカット方法を開発。

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引用:http://www.nhk.or.jp/professional/2016/0215/index.html

氷がグラスの内側に密着しながら酒を混ぜていくと、液体があまりかき乱されることがなく、余分な泡立ちが抑えられるため、飲み頃まで炭酸が抜けないとのこと。

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引用:http://www.nhk.or.jp/professional/2016/0215/index.html

お客さんが喜んで飲む姿をイメージして具現化してしまう岸さんに惹きつけられました。


番組も後半を迎え、〆の一杯が登場します。

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引用:http://www.nhk.or.jp/professional/2016/0215/index.html

アイリッシュ・ウィスキーをベースとするカクテルで、ホイップした生クリームを注いで頂く、この時期には嬉しいホットドリンクに「アイリッシュ・コーヒー」です。この1杯を求め毎年年末になるとアメリカ人夫婦が訪れます。日本を離れる前夜に必ず注文するのがこの「アイリッシュ・コーヒー」です。

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引用:http://www.nhk.or.jp/professional/2016/0215/index.html

岸さん本人も1年で最も緊張する1杯のカクテルと明かす様に、前回の出来栄えに悔いを残しての今回だけに想いがよりこもります。そして最後の夜に注文された1杯は夫婦の身も心も温めました。去り際に彼らが放った言葉、『来年また必ず会いに来るよ。』お客さんから頂ける最高の賛辞ではないでしょうか。


話は最近の話題に飛びますが春節で沢山の外国人観光客で賑わいをみせた日本ですが、外国人と言う響きに構えてしまう方も多いかもしれません。また「滞在時だけの1度きりだから」と割り切っておられる飲食店様からの声も耳にしたことがあります。

ただ今回の岸さんとアメリカ人夫婦の間には緊張感はあっても構えてしまうような窮屈さはありません。自国を離れても心許せる場所があることは束の間の滞在者にとっては幸せなことである様に思えます。相手がどうあれお客さんを想う根っこの部分は変わらないのだとマスターは教えてくれました。

今後も増加が見込まれる外国人旅行者でありますが、お店をまたげばお客さん。目の前に座ったその人を心から喜んで欲しいという想いは国境を越える常連さんを生み出すのではないでしょうか。



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