美し国、三重。伊勢神宮のお膝元でハレを食す。

美し国・三重

海や山の自然に恵まれ、心が満たされる地域。

伊勢神宮に象徴されるこちらは、

とても美味しい国でもありました。

 

 

伊勢神宮とおかげ横丁

江戸時代、当時の人口の1/5にあたる人々が、日本全国から「伊勢に行きたい伊勢路が見たい せめて一生に一度でも」と伊勢へ押し寄せたとされます。その当時から伊勢の人々は、自分の施しが神様に届きますようにと「おかげの心」で「施行」と呼ばれる振る舞いを行い、物・心の両面から旅人を支え、あたたかく迎えたと言われています。

時代は変わり、平成の世となりましたが、伊勢人の中には、日々あることを神に感謝する「神恩感謝」の精神が受け継がれています。そして、自然の恵みに感謝し、日々おかげさまの心で働く、伊勢人たちによって息づく町、それが「おかげ横丁」です。

 

 

 

 

すし久

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このおかげ横丁の中でも一番の人気を誇るのがすし久さん。伊勢神宮の表参道にあり、天保年間(1830〜1844)創業のお店。現在の建物は明治2年(1872年)の遷宮の折に、神宮の古材を使用して建てられたとのこと。民間に伊勢神宮の材木が下賜された例は他にないので、伊勢の貴重な文化資産としても大変貴重な建物であります。

 

入り口に大きく踊るめしの文字。時代を超え、旅人の胃袋を満たし続けてきた風格が感じられます。

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歴史と情緒はこの上ない空腹をもたらします。

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木札も味があって食欲が掻き立てられます。

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内宮前では数少ない20時まで営業しているお寿司屋さんです。こちらの人気商品は何と言っても「てこね寿し」です。

 

 

志摩地方のてこね寿し

鰹や鮪などの赤身の魚を醤油を中心としたタレに漬け込んだ後、寿司飯へと合わせて食べる。好みにより、大葉や生姜、海苔などをちらす。観光案内では漁師が漁の合間に食べた食事がもとであり、考案したのは志摩町和具(志摩市)の漁師とされ、沖での忙しい鰹漁のさなかの食事として、獲れた鰹を千切りにして醤油を付け、炊きたてのご飯に手で混ぜて食べたのが始まりとされる。

 

郷土料理の代表にも挙げられる、てこね寿しですが本来は大漁のときの祝いとして船主が船員にふるまったハレの食事であるそうです。それが陸でも広まったとされています。

 

平日のお昼過ぎでしたが、1階は満席だったため2階のお座敷に通して頂きました。

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この日は春の嵐に見舞われたものの、この時点では雨風も落ち着き窓辺からは春の景色も楽しめます。

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こんな情緒たっぷりのお店のメニューがこちらです。

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てこね寿しを先頭に、麦とろ、うなぎに海老フライと続き、子供膳まで用意されています。

 

 

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裏面には一品メニューからアルコールまでが揃っています。閉店時間が早いおかげ横丁において20時までの営業は珍しく、すし久さんならではのお品書きが並びます。

 

てこね寿しは松竹梅でセット内容が異なります。人生初てこね寿しは梅を注文させて頂きました。

 

 

梅 てこね寿し てこね寿し、小鉢二品、赤出し、漬物

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提供されるまでの時間は計っていませんでしたが、3分はかかってなかったと思います。あまりの速さに意表を突かれましたが、作る時間を少しでも短縮する漁師めしの成り立ちを考えると自然のことかもしれません。

 

 

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おおぶりの鰹が桶一杯に敷き詰められています。漬け込まれているものの表面の艶から鮮度の高さが見て取れます。

 

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鰹を一枚めくってみますと、醤油でまぶされた白ご飯が姿を現します。醤油色に染まったご飯の中に白いままのご飯もあります。均一では無いのが、てこねならではの良さかもしれません。このムラ感がたまらなく食欲をそそります。

 

 

春季限定 豆腐田楽

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景色と一緒に季節のお料理を頂けるのも、古くから愛される要因だと感じました。

お酒のお供に頼みたくなるお品書きです。

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

昔は普通だった食事が現代では逆に貴重とされる世の中。

それでも遠くから食べに来るお客さんが後を絶たないのは、みな誰しもに宿る「美しの心」があるからでしょうか。こちらには確かに美味しいお料理とそれを尊ぶ「おかげの心」がありました。

季節ごとに立ち寄りたい、おかげ横丁 とすし久さんでありました。

 

 

取材店舗様

すし久

 

 

参照サイト

伊勢内宮前 おかげ横丁

手こね寿司 – wikipedia

 

 

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