ブラジル鶏肉不正問題に新たな動き。ブラジル依存にあった日本の鶏肉事情にも究明。

3月27日、メニューデザイン研究所のメルマガでも取りあげたブラジル不正問題に新たな動きがありました。

【ブラジル産食肉の不正問題発覚で何が変わる?3月27日配信分 】

不正があったとされる食品加工業者から輸入された「鶏肉899トン・はちみつ7.28トン(輸入全量)・プロポリス13kg」の在庫が日本国内で確認されたと、4月4日の厚生労働省の会見によって判明した。

 

 

ブラジル食肉不正事件とは?

食肉検査の不正問題は、ブラジル警察により3月17日に発表された。その内容は、公衆衛生検査官が食肉加工業者から賄賂を受け取り、衛生基準を満たさない食品を承認していた、というものだった。これまでに少なくとも30人を逮捕し、12以上の食肉加工業者を強制捜索したと報じられている。

ブラジル政府は現在までにブラジル国内の21の処理・加工・製造施設を特別捜査し、6施設を操業停止措置としている。日本でも3月21日以降、43 万7千トン(2015年度)規模のブラジル産鶏肉の輸入を一部制限し、輸入検査を強化することが厚生労働省から発表されていた。

さらに厚労省では、2013度度以降に営業目的で輸入された食品の「食品衛生法に基づく届出情報」を確認。操業停止措置がとられた6施設からの鶏肉などの食品の輸入実績はなかったものの、特別検査の対象となった残り15施設のうち、2施設から直近の輸入実績が確認された。

同省は、具体的な流通の状況は現在も調査中とした上で、2施設から出荷された鶏肉などに加え、出荷施設が不明なものについても、国内の輸入業者や販売先に、販売を見合わせるよう指導していると回答している。ただし、鶏肉の輸入元は1施設のみで、この施設が特別捜査の対象になったのは「衛生上の問題ではなく、会計上の問題だった」とする報道もある。

 

 

 

小売店から消えるブラジル産

消費者の反応を直に受ける小売は早くも対応に動き出している。厚生労働省はブラジルからの輸入を全面的に差し止める借地ではないのに対し、小売店は解凍のブラジル産チキンは全て売り場から撤去して欲しいとの強い申請がでているようだ。現に大手スーパーでは、一部の加工食品には当該施設から出荷された鶏肉などの食品が使用されていた可能性があるとして、既に販売を見合わせている。

前述した厚生労働省の発表によれば、ブラジル国内では約4800施設が操業中とされる。今回捜査の対象になった施設は、そのごく一部ということだ。現状では実際のブラジル産鶏肉への判断や対応は、小売店以外にも飲食店など、各事業者に任されている。

 

 

 

ブラジル依存だった要因とは?

日本の鶏肉輸入の内、8割をも占めているのがなんとこのブラジルです。2015年に輸入された鶏肉(調理品を除く)は約53万トン。そのうち41万トンがブラジル産だった。(農林水産省の品目別貿易実績による、)なぜそこまでにブラジル産依存があったのか?その理由は「ブラジルには鳥インフルエンザがなく、安全性が高い」とされていたからだ。また、抗生物質を含んだ飼料に対する規制が厳しいEUにも輸出されていたことから、「ブラジルの鶏肉はきちんと管理されている」と思われてきた。

この神話がもろくも崩壊した今回の一件だが、そもそも国産鶏肉の値段が下がらないことが安価なブラジル産を選ぶ一番の要因であった。それは “日本人の好み” に由来している。日本では「柔らかくてジューシー」という理由で、『もも肉』だけがもてはやされている。一方で『むね肉』は「パサパサ」「味が淡白」という理由から敬遠されがちだ。

ヨーロッパなど、世界的に見ればむね肉のほうが人気だが、日本だけがなぜか例外的にもも肉ばかり食べている。消費の割合はもも肉8割、むね肉2割ともいわれている。むね肉の消費が進めば、鶏肉の生産コストも下げられるといわれる。

 

 

 

まとめ

小売店の反応からみてもブラジル産への反発は高く、消費者の信頼回復は難しいのではと思われる。そしてこの問題は何も解決されたものではないことが最も憂うべきポイントだと考えられる。文中でもあったように、ブラジル国内では約4800施設が操業中とされ、今回捜査の対象になった施設はそのごく一部ということ。また、今回の不正は鶏肉だけに限るものでしたが業界に限らず、牛肉、豚肉の会社も対象になってくるということ。調査が進む上で更に深刻な事実が出てくるかもしれない。今後も引き続きこの不正問題の影響を注視していきたい。

 

 

 

引用元

衛生基準ごまかしたブラジル企業の鶏肉899トンが国内に

ブラジル産の食肉不正問題で判明 国産鶏肉の値段が下がらない理由

鶏鳴新聞

 

 

 

img_7299Webライター山崎達弥
1979年12月12生。新潟県出身。メニューデザイン研究所メディアの専属ライター。食べることと、飲食店さんをこよなく愛する山崎が執筆させて頂きました。