レトロ・ブイ・クイック♪ な、焼鳥屋さんのメニュー

居酒屋メニューに欠かせないもの、それは焼鳥ではないでしょうか?どこの居酒屋でも必ずあって何度食べても食べ飽きない味。日本の居酒屋では長く愛されています。でもその多くが、『焼き鳥屋』という専門の料理店として見ることができます。何でも食べられる居酒屋に混じって古くより専門特化する『焼き鳥屋』の強みとは何なのか?メニューの視点で見ることにしましょう。

 

 

炭火焼鳥 ちんどん 九条駅店

今では珍しい、いでたちとして人を集める『チンドン屋』を想起させるネーミングのお店にやってきました。チンドン太鼓を鳴らし、その地域の商品や店舗などの宣伝を行う元祖請負広告業。それを彷彿とさせる程に店頭には煌びやかな店頭看板が並びます。また焼鳥屋さんと言えばの赤提灯もしっかりとお店の入り口を灯します。

 

 

レトロ

実際に店内ではチンドン太鼓の楽曲が流れています。肌で感じられる時代錯誤感がとても心地よく感じられます。それはレトロな楽曲に合せて目に入ってくる、ポスターがそうさせているのだと感じました。大正浪漫を喚起させる情緒たっぷりな描写に混じって存在感を発揮するのが『炭火焼宣言』なるものでした。

  • 其の壱 鮮度は旨さ
  • 其の弐 鳥肉を知る
  • 其の三 炭火への心づかい
  • 其の四 串打ち三年
  • 其の五 焼きの極み

宣言のひとつひとつにはちんどんさんが焼鳥にかける想いがしたためてあります。単にレトロ一色でまとめるのではなく、こういった遊び心一杯のコンセプトを入れることでよりレトロに深みが増すのだとも感じとれます。いつの時代も大衆レトロは人を酔わせるものですね。

 

 

部位

肉ブームということもあり、鳥肉に関わらず希少部位の特異な名称を巷でも良く聞くようになりました。そのせいもあってか実際のお店のメニューでその名称を見つけると一見知っている気でいるのですが、具体的にどこの部位か分からなかったりします。その点、こちらではおすすめの料理と連動して部位の説明が図解入りで表記されています。「もも肉」・「むね肉」といったスタンダードな部位から「背肝」といった希少部位の場所についても知ることができます。ささやかではありますが「知」と「食」を結びつけるお店からのおもてなしだと感じました。

 

 

クイック

ここでお待ちかねの『焼鳥屋さんのメニュー』の登場です。先ほどの店頭・店内のトーンにぴったりとあったレトロであたたかみのあるメニューデザインです。文字主体のシンプルな構成ですが、見えにくくさは一切感じられません。むしろ文字だけなのに見やすくさえ感じます。それはなぜか?このメニューには強い意志があるからです。お店が売りたい・出したいという意思がはっきりしているため、それ以外のメニューとしっかり差別化できていることが 見えやすく・分かりやすく表現できていました。

また焼鳥は他の居酒屋メニューに比べて焼く時間がどうしても必要になりますが、さっとでる 串まちメニュー』とすることでファーストオーダーを効率良くとることができているようでした。ネーミングのセンスが光ります。嫌味にかんじさすことなく両者が嬉しいクイックメニューでした。

そして、もうひとつのクイックがドリンクメニューです。

フードメニューと重ねた際にぴったりなサイズだと気づかれにくくなるところを、ドリンクメニューの高さを少し変えてあげるだけで埋もれることなく、直ぐにドリンクを見つけることができます。早く飲みたいというお客さんの気持ちにクイックに答えるこれもまた憎い演出のメニューでした。

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?『焼鳥屋』さんという定番ともいえる業態の良いところと、新しさを上手に絡められているのがちんどんさんでした。派手さはなくとも、お客さんの心理を事細かに応えるメニューだとも感じました。こんなメニューがあるお店の焼鳥は美味しくない訳がありません。その検証はご覧の皆様に委ねたいと思います。美味しい時間をどうぞ心行くまで。

 

 

炭火焼鳥 ちんどん 九条店
大阪府大阪市西区九条1-5-14
050-3490-3617

 

 

img_7299Webライター山崎達弥
1979年12月12生。新潟県出身。メニューデザイン研究所メディアの専属ライター。焼鳥文化をこの先も愛し続けます。食べることと、飲食店さんをこよなく愛する山崎が執筆させて頂きました。


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