いかなる時も、彼のバックグラウンドには、畑と向き合う生産者の姿があった。想いを一心に受け止め彼が抱いた夢は、生産者が輝ける場所をつくること。

 

『一次産業を輝かせたい!』との想いから、生産者と消費者の架け橋を作り続けている、ファーム&カンパニー株式会社 代表の光岡氏にインタビューを行いました。

経営する「野菜ビストロ レギューム」では、生産者と共につくるレストランとして画期的な仕組みを採用。評判は瞬く間に広がり、実益を伴うビジネスを確立しました。そして編集長を務める「兵庫食べる通信」では、生産者の魅力をより深く消費者に届けてもいます。希薄となりつつある、生産者と消費者の間に立ち、新たな価値をみいだす光岡氏に迫ります。

一次産業を輝かせるためには?

一概にすべてとは言いませんが、農業を初めとする一次産業に吹く風当たりは厳しいものがあります。ニュースでも度々報じられていますが、生産者の高齢化や不安定な収入等、問題は多岐に渡っています。実情が見えにくく、都会に住む人たちからの共感も生まれない状況は、生産者との距離を遠ざける要因にもなっています。

例えば、台風で生産者が被害を受けていたとしても、都会で流されるニュースは ”野菜の高騰” を危惧するものであり、その挙句 ”安いもやし” を買い求めるといった、意識のズレがあります。

それでも一次産業に希望を持ち、前向きに取り組む生産者様も多くいます。そんな方々の力になりたいと思い、誕生したのが「野菜ビストロ レギューム」です。

生産者とつくる「野菜ビストロ レギューム」とは?

店内

昼間は天井トップライトから降り注ぐ自然光が心地よく、夜は照明を落として落ち着いた雰囲気でビストロ料理が楽しめる。

2011年にファーム&カンパニー株式会社を設立し、その年の11月に開業したのが「野菜ビストロ レギューム」です。まずは食べて知ってもらうことを第一とし、生産者とつながる ”ファーストステップ” と考えたのがこのレストランです。

母体は兵庫県有機農業生産出荷組合

実は、株主の1/3が生産者です。組織の母体は兵庫県有機農業生産出荷組合は、兵庫県内で環境創造型の有機農業に取り組む50軒程の農家の集まりのことを言います。生産者を取引先とする関係よりも、生産者と一緒になってやりたいという気持ちが強くありました。

付加価値が高い料理の提供

生産者と一緒になって作った会社のため、自分だけでなく、生産者にとっても事業として成り立つ仕組みが必要でした。そのため、ビストロ レギュームでは ”ここでしか食べることの出来ない、付加価値の高い料理” を提供したいと考え、それは ”兵庫の野菜を始とする食材の発見” であると考えました。今では、年間3万人を超えるお客様に兵庫の食材を知ってもらえる場として、ご利用頂けています。

10回来店しても、遠い生産者との距離

兵庫の食材に気づいてもらえながらも、生産者のファンになるとは限りません。例えそのお客さんが10回来店されたとしても、同じ導線では難しいことが分かりました。目標である、生産者のサポーターやファンをつくるためには、飲食店では提供できない、別の導線が必要なのです。

 

そのステップのひとつとして、年に1回兵庫県の有機農業の仲間と開催しているマルシェがあります。生産者から直接購入できる体験を通じて、作り手の想いや人柄を感じることができます。またこれとは更に異なるステップとして、2015年の7月に創刊した、「兵庫食べる通信」が挙げられます。

 

誌面でなければ伝えられない想いとは?

「食べる通信」とは、2013年に東北で誕生した食べもの付きの情報誌ですが、これの兵庫版として創刊したのがその名も「兵庫食べる通信」です。産地の営みや作り手の思いを身近に感じながら、実際に食べて知ることで生産者との距離を縮めることを目的にしています。

 

山崎一馬さん取材

漁師さんへの取材を自ら行う光岡氏

レストランでは接客を通じて生産者のことを伝えようとしていましたが、『食べる通信』の誌面ほどの情報量はありませんでした。読者に生産者のことを深く知ってもらうためには、自分たちも生産者のことをもっと深く知る必要があります。読者の方に、生産者のことを知って頂ける喜びは計りしれません。

 

また『兵庫食べる通信』はWEBから簡単に申し込んで頂けます。飲食店の経営者やシェフにも食材を発見する場、生産者と出会うきっかけとしてご購読頂いています。

 

 

畑に会いに来てください!

畑に来て欲しいというのが私の本音です!

①外食 → ②マルシェ → ③食べる通信 → ④農業体験

と言った具合で生産者とをつなぐ最終ステップに、「農業体験」があります。生産者と同じフィールドにたつことで、一次産業と食をより身近に感じて欲しいと思っています。また、企業向けの体験研修としてもご利用頂く機会が増えています。

 

飲食店のスタッフ教育としてもおすすめです。自分たちが扱う野菜がどのようにして育ち収穫を迎えているのか?畑にそのルーツを求めることで、親しみや愛着も沸いてきます。そうすると、もっと美味しく食べてもらいたい、もっと食材の良さを知ってもらいたいと思うようになります。これこそが、お店にとっての付加価値ではないでしょうか。是非、畑にいらしてください!

取材を終えて

光岡さんは元々が農家の出身ではなく、ただ純粋に社会に貢献できる仕事を一生の仕事にしたいと考えたことが、農業支援を志すきっかけでした。開業したレストランもしかりですが、ずっとバックグラウンドにあった生産者の力を、このお店では前面に押し出すことで、生産者と食材を見事に輝かせることに成功されました。

それでも尚、現状にとらわれず様々な活動を行うのには、生産者のサポーターやファンをつくることを最終の目標に掲げておられるからです。それは昔も今も変わらないゴールです。

いつもとは違う視点でいつも使っている食材を見直すことで、気づかなかった価値に気づけるかもしれません。もし、それでも気づけないときは、畑にいくことをおすすめします。思いもよらぬルーツに辿り着けるかもしれませんよ。

 

 

 

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