【インバウンド情報】2015年の流行語って確か……? 最近聞かないアレを調査。

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2016年の流行語大賞が発表され、『神ってる』が選ばれました。

 

25年ぶりのリーグ優勝を果たした広島カープの奮闘はまだ記憶に新しいですが、選手・監督・広島ファンの熱狂ぶりをかんがみれば大賞受賞も納得です。また、関西大学の宮本勝浩名誉教授の試算によると、リーグ優勝による経済効果は地元広島県で約331億5000万円にのぼるとも。球場内・外で神ってる広島だった訳ですが、ここで一つ気がかりなことが。

1年前の流行語大賞って、確か、『爆買い』でしたよね??

 

すっかり息を潜めた感のある、『爆買い』ですが、2016年はインバウンドにとってどんな年だったのでしょうか?節目の1年として少し振り返ってみたいと思います。

 

 

 

2016年の外国人旅行者数の動向はどうだったのか?

10月単月では前年同月比16.8%増の213万6千人となり、1月からの累計はついに2000万人を突破しました。10月として過去最高を記録したのと同時に、2016年7月に単月過去最高記録となった229万7千人に次ぐ2番目の数字となりました。日本政府観光局(JNTO)はこの増加要因を、アジア圏の国慶節や学校休暇等に加え、クルーズの寄港増加や航空路線の拡大・増便、日本国内における国際会議・イベント開催及び、これまでの継続的な訪日旅行プロモーションによる効果が増加につながったとしています。

また2016年1月〜10月の合計訪日外国人数を2015年同期間と比較すると、前年比23.3%増の2011万3千人とし、初めて2000万人を突破しました。国別で最も多かったのは、爆買いの生みの親である中国で10月時点ですが約550万人もの旅行約が訪日しました。前年比はこちらも28.7%と高い水準を誇っていることになります。

この数字だけを見ると、爆買いの陰りは無いように思えますが、次項では実際の売上高を見ていきましょう。

 

 

 

爆買はブームだったのか?

免税店大手ラオックスが、訪日外国人による「爆買い」失速の影響をまともに受けた。14日発表した2016年1~9月期決算は、売上高が前年同期比31・9%減の494億円、営業利益が98・2%減の1億円、純利益も97・4%減の1億円だった。訪日客の1人あたりの買い物額が減ったためだという。

同社によると、訪日客の人気商品は「時計や高級家電から、化粧品など安価なものに移っている」(広報)。競うようにまとめ買いしてくれる団体旅行客も減っているという。このため、中国の大手旅行サイトと連携し、購入品などを宿泊先や中国の自宅に配達する有料サービスを始めるなど、個人旅行客の取り込みを急いでいる。

引用:朝日新聞デジタル ラオックス、営業利益98%減 訪日客の「爆買い」失速

 

 

 

前年比23.3%増なのに何故買わない?本当に終わってしまったのか??

数字的根拠を目の前にすると、『やっぱり爆買いは終わったのか~。』と終焉モードも無理のない状況なのですが、これに対し真っ向から喝を唱える声もあります。その声とは三菱総合研究所 政策・経済研究センター研究員 劉 氏である。東洋経済新聞に先月掲載された内容からの引用にてご紹介します。

 

「インバウンド終わり論」の根本にある、訪日中国人の消費支出は激減している――という見立ては、そもそも成立しないことだ。消費額を考える際、一般的には日本円で見られているが、為替レートに大きく影響されることを考えれば、対象国の通貨で見るほうが現実的である。(中略)

円ベースと元ベースで見る訪日中国人の1人当たりの旅行支出の推移。為替レートの影響から、円ベースで見ると下がっているように見える。が、実際中国人が使う元ベースで見ると、堅調なトレンドであることは一目瞭然である。つまり、訪日中国人がおカネを使わなくなったということはまったくない。(中略)

昨年、百貨店の売り上げが急増した理由は、一言で言うと、円安で外国人旅行客にとって欧米ブランド品の価格が欧州より安かったからだ。つまり、円安の一時的な恩恵を受けたと言える。

それが、円高に戻りつつある現在だと、ブランド品は欧州で買ったほうが安いので、中国人消費者がそちらに向かうのは当然である。また、中国政府は「代購(代理購入)」の取り締まりを強化するため、税制を変更し、税関での検査を強化したと言われている。その結果、転売を目的とした大量購入は抑制されたが、一般の訪日中国人の消費行動は大きな影響を受けていない。(中略)

では、「インバウンド終わり論」がどこから来ているかというと、日本では、インバウンドの勢いをとらえる指標として、百貨店売上高の数字があまりにも頻繁に取り上げられる。そのため、百貨店以外を含む全体の消費金額も同じように下がっている、という誤解を招いているというのが実態だ。

実際には、消費額は堅調に推移している。単に百貨店での買い物が下火になっているだけだ。では、訪日中国人は、おカネをどこで使っているのだろうか。実はその消費行動は「見えにくい」と「小さい」という2つの特徴が鮮明になっている。徐々に知られてきてはいるが、中国人旅行支出の「中身」は、豹変している。ブランド品・爆買いなど買い物金額が減少する一方で、宿泊費、飲食費、交通費の支出の伸び率は高い。(中略)

特に現在、来日中国人の中心である20~30代の若者は、越境ECでも買える炊飯器をわざわざ買って持って帰るより、もっと自分の目で日常的な日本に触れて「日本で過ごす」実感を得たいと思ったり、もっと日本独特の奥ゆかしさを感じようとしたりしている。

そうなると、免税店よりドラッグストアやスーパーに行きたい、東京の次は東北に行ってみたい、富士山を背景とした写真より瀬戸内海の美術展に行ってきれいな写真を撮りたい、コンビニのお弁当も、ちょっとよいレストランでも食べてみたい……。つまり、一般の日本人の生活の延長線上にある行動をとろうとするのだ。

引用:東洋経済ONLINE 「爆買い終了」でも続くインバウンドの真実

 

 

 

まとめ

要約すると、爆買は終わったのではなく、むしろインバウンドビジネスの始まりを顕著に歩みだしていることが読みとれました。これはとても意外なことでした。陰りと感じてしまう要因には、日本人の性質が根強くあることにも気づかされました。百貨店の売り上げ減少に、通貨の変動はあくまで日本側の動きであって、実際に購買する中国の経済動向に目が向いていないだけのことだったのです。

また、文中にもありましたように、中国人旅行支出はブランド品・爆買いなど買い物金額が減少する一方で、宿泊費、飲食費、交通費の支出の伸び率は高いことから、モノ消費から、コト消費へとシフトしていることが言えます。そうなると、強さを発揮するのが日本文化ではないでしょうか。奥深さを知れば知るほど、日本でしか体験できないことに価値は生まれるからです。

飲食業界も観光客の内面から震わすサービスが一つキーになりそうですね。2017年に向けてインバウンド対策もより協会して本メディアではご紹介してまいります。

 

 

 

 

 

 

img_7299Webライター山崎 達弥

1979年12月12生。新潟県出身。今年の新米の出来は最高です。食べることと、飲食店さんをこよなく愛する山崎が執筆させて頂きました。

 



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