労働災害による死傷者数は、昭和53年をピークとして減り続けていますが、飲食店などの第3次産業では昨今横ばいの状態が続いています。大切なスタッフにけがをさせないためにも、飲食店では労働災害に対してどのように対策していったらよいのでしょうか。

飲食店での労働災害の種類と対策

飲食店での労働災害の具体的な内容は、『転倒』が27%、『切れ・こすれ』が25%、『高温及び低温でのやけど』が15%になっていて、これらが飲食店の労働災害の3分の2を占めています。この3種類の災害に対して対策することが重要です。

 

転倒対策

飲食店で最も多い事故が『転倒』です。その内訳は、5割が滑り、3割がつまづきによるものです。揚げ物の油で床が滑りやすくなっていたり、荷物を運んでいる際に物が置かれているのに気付かずに転倒したり、という事故が多くなっています。これらの事故を防ぐためには、床の清掃をきちんとすること、荷物を運ぶ際には台車をつかうこと、店内や通路は明るく保つこと、荷物はきちんと整理整頓することなどが求められます。筆者は高校生のころファストフード店でアルバイトをしていた経験があります。フライヤーでの仕事でしたが、足元が非常にぬるぬるとして滑り、毎日危険を感じていたことをよく覚えています。対策をしておけば未然に防げる事故がほとんどなので、転倒事故を軽んじることなく防災意識を
高めましょう。

切れ・こすれ対策

飲食店での労働災害で、転倒の次に多いのが『切れ・こすれ』の事故です。包丁や竹串など、鋭利な物の置き場に注意しましょう。また、開封した缶詰などは非常に鋭くなっているので、きちんと片付けるよう呼び掛けましょう。さらに、割れた食器がシンクや廃棄物の中に混入していてそれで怪我をするというケースも見受けられます。機械の取り扱いにも注意が必要です。食品を加工する機械で災害がおきると大きな怪我や死亡事故に発展してしまいがちです。機械の詰まりの除去やメンテナンスの際には、必ず電源を切るように指導しましょう。

 

やけど・熱中症対策

飲食店では、やけどの事故も多くなっています。熱された油や熱湯など、高温なものに触れてやけどするケースがほとんどです。やけどの労働災害は、調理中や、料理の運搬中に起きています。特に、フライヤーの取り扱い中や、油の交換を行っている最中の事故が多いのが特徴です。危険作業のため細心の注意を払いながら、油の飛び散りに注意し、高温になった油に触れないようにしましょう。

さらに、調理中の厨房は非常に暑くなることがあります。熱中症の予防にも留意し、水分補給をこまめに行うようにしましょう。

 

飲食店での労働災害の具体的な事例

飲食店では、具体的にどのような労働災害が起きるのでしょうか。事例を見ることによって、どのようなところで事故が起きやすいかを自分の店におきかえて考え、確認しましょう。

労働災害事例【1】資材の運搬中に

資材が入った段ボール箱を搬入しているとき、足元の段差が見えにくくなってしまい、つまずいて転倒した。

 

労働災害事例【2】パンスライサーで

急いでパンをスライスしようとして、パンスライサーで人さし指を切ってしまった。

 

労働災害事例【3】油で滑って

フライヤーの油を抜き、清掃する作業をしていた。油受けを持ち上げようとしたら取っ手の部分に油が付着していて滑り、体に高温の油を浴びてしまった。

 

労働災害事例【3】高所の物をとるとき

倉庫の片付けをしているときに、高い棚の上に置いてあるものをとろうとして、いすを足場にしたところバランスを崩し落下した。腰の骨を折る重体に。

 

労働災害事例【5】割ったグラスで

食器を洗っているときに誤ってグラスを割り、水の中に落としてしまった。それを拾おうとして指を深く切って、3針縫うけがをした。

 

まとめ

本記事では、飲食店で起きやすい労働災害とその対策方法、そして実際の事例を紹介してきました。飲食店での作業は危険な刃物や高温になる油を使う場面が多く、想像以上に事故を起こしやすいことがわかりました。

大切なスタッフを守るためにも、日ごろから危険な労働に対して細心の注意を払い、必要なところは整理整頓や清掃をしましょう。そして何より、労働災害を防止することを意識しましょう。

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