【リニューアル間近!】0から挑む新業態立ち上げに密着レポート -南薩食鳥販売編-

視察3店舗でしめくくった昨日(3月22日)の日程でしたが、普段食べなれているはずの鶏がいつもと違うだけで、衝撃が走りました。鶏の世界は奥深いと感じた訳ですが、早くも一夜明け引き続き実習2日目が行われます。昨日とはまた一味違った知覧どりの世界を見ていきましょう。

 

▼リニューアルオープンに向けての軌跡をレポートした第1・2・3弾は下記からご覧頂けます。

【リニューアル間近!】0から挑む新業態立ち上げに密着レポート -陶芸編-

【リニューアル間近!】0から始める新業態立ち上げに密着 第2弾 -メニュー編-

【リニューアル間近!】0から始める新業態立ち上げに密着 第3弾 -知覧どり編-

 

本日の舞台は大阪は堺にあります株式会社南薩食鳥販売様です。昨日の視察をアテンドして頂いた石橋専務と谷口さんが勤務されている場所です。

鶏の知識と味覚を深め、調理の仕方までを体験できるのが本日の趣旨です。早速セミナー会場へと向かいます。

 

 

 

鶏の種類を知ろう!

講義を努めるのは昨日のアテンド役に続き石橋専務です。まず最初に教わるのは鶏の種類です。正直言いますとこの講義を受けるまで、種類の境界線はあやふやでした。

ブロイラー < 地鶏   という構図は何となく理解はしていましたが、そこに銘柄鶏と親鳥はどの立ち位置になるかはさっぱり分りませんでした。そもそもブロイラーって何?地鶏の定義とは?聞いたことはあるけど分らない銘柄鶏と親鳥について石橋専務から解説がありました。

 

 

 

ブロイラーの特徴とは?

・若鶏
・生後約50日で出荷
・肉質は柔らかい
・味は薄い
・相場700円~800円(1kg)

 

 

 

地鶏の特徴とは?

・品種は38在来種
・生後75日以上
・肉質は少し硬い
・味は銘柄鶏よりも濃い。鶏種、飼い方により様々。
・相場2000円~3000円(1kg)

 

 

 

銘柄鶏の特徴とは?

・品種はブロイラー
・生後約55~70日で出荷
・肉質は柔らかい
・味はブロイラーより濃い。鶏種により様々。
・相場800円~1500円(1kg)

 

 

 

親鳥の特徴とは?

・生後約450日で出荷
・肉質はコシがある
・味は地鶏よりも濃い
・相場800円~1500円(1kg)

 

 

4種類の中でも特徴に違いがあることが分って頂けたのではないでしょうか?大きくは血統によって異なりますが、戦後開発された国産のブロイラーが海外から安価に輸入されたブロイラーに市場を奪われたことがきっかけで、新たに開発されたのが銘柄鶏になります。血統はブロイラーですが、生育日数を伸ばして出荷することで味・肉質の差別化が図られました。地鶏の定義はまだ新しく、7年前にJAS(日本農林規格)が認定されたものだけが名乗れるいわばブランド鶏になります。それは1kgあたりの相場を比べれば一目瞭然です。

 

 

それでは知覧どりはどれにあたるのでしょうか?昨日のメニューデザインのラフではキーワードとなる数字が明記されていました。それは450日飼育と言う箇所です。とすれば答えは一つ!そうです、知覧どりは “親鳥” であることが分ります。

種鶏とはブロイラーの親鳥となる鶏種で、レイヤー成鶏とは採卵用の鶏となる鶏種です。この両者は一般的に450日~700日の長期飼育が行われ、卵を産まなくなったものを処理します。九州の多くの地鶏料理専門店がこの鶏種を使いモモ焼やタタキなどの 九州を代表する料理で地鶏ファンを引き付けています。長期飼育された鶏は強い歯応えと非常にコクのある味わいが特徴で、 本来の鶏肉の旨味を味わいたい方々にお勧めです。

引用:http://www.chirandori.com/chirandori/

昨日体験した皮の弾力と筋肉質なモモ肉を思い出され合点がいきました。あの弾力は450日生育されたアカシだったのです。

 

 

この講義を聴いた私はその後、社内・外問わず “言いたがり” として躍起になっていました。美味しい理由を知ることで人に伝えたくなることは、食材にする上で最も重要なことだと思います。食材に惚れ込むことでお客さんに伝えたくなる。それは料理となって必ず伝わるものだとも思います。そのお手伝いがメニューデザインでもできることだとも感じます。それはまた別のパートで。

 

 

 

実食で迫る!

講義の終わりにはミニテストも行われ、更に知識の落とし込みができました!70点以上が及第点でしたが、75点で何とか面目躍如となりました。

 

そうこうしている内にお待ちかねの実食タイムがやってきました。実食といってもお品書きまでがあって、鶏白湯スープから始まる知覧どりのフルコースを味わえます。

昨日の視察で知覧どりのポテンシャルの高さをまざまざみせつけられましたが、鶏に専門化することで逆にレシピのバリエーションが増えることにも驚かされました。

 

今城焼きの食器がここでも使われています。高さを出すと商品の見栄えが良くなるという、安見先生の言葉が思いだされます。(昨日のことですが。)

 

 

 

実技で迫る!

ここからは参加している調理担当者による捌きの実技指導へと移ります。黒鶏からは大野店長が包丁を握ります。ここでも石橋専務が指導にあたりますが、明らかに異なるものがこの時点で一つあることに気付きます。それは包丁の大きさです。

石橋専務のものは小刀の様な形をしています。しかし、この小刀にも見えるものも現物は普通の包丁で特別に研磨することでこのサイズに敢えて小型化しているとのことでした。そうすることには理由があります。鶏は一体を捌く際、刃渡りの長さを使って切るものではないというのです。切るというよりはパーツごとにばらすという感覚のため大きなものは必要ないのです。

フィールド 土香 料理担当井野さんメモにはイラスト付きで流れをメモしていました。

正しい流れに沿ってばらしていくことで、わずかしかとれない稀少部位を確保することができます。その美味しさに驚嘆した背キモもわずかではありますが分けられます。簡単に見えても思うようにはいきません。これには経験が必要です。後日、井野さんとメモと撮影した動画によって捌きの特訓が行われました。

 

 

 

実技で更に迫る

テストキッチンのベランダには焼き場までが設置されていました。七輪には炭がくべられており、ここでは炭焼きの実習ができる環境が整っています。

 

 

まずは石橋専務がデモンストレーションを行います。特製の鶏油を七輪の中に直接投入します。すると、

 

 

閃光を一瞬放った後、激しい炎が立ち上ります。昨日の視察で見たあの炎です。離れていてもその熱さに一瞬退いてしまいます。

 

 

炎の頂上で転がすように炙るのがポイント!そして炎を絶やさないことがもう一つのポイント。立ち上る炎の中に、更に鶏油を投下します。

 

 

大野店長も挑戦!

鶏油をかけながらあおるのが思いのほか難しそうでした。こちらも経験が必要ですね。オープンまでの今から一ヶ月が勝負です!!

 

 

一方ではフィールド土香 の高尾さん井野さんと、南薩の谷口さんとで打合せを行っています。

3月27日に行われる撮影を前にメニューデザインのラフを元にしたレシピ・盛り付け等の最終チェックです。チームで挑む正に総力戦です!

 

 

 

丸一日を費やし知覧どりの研修が終わりました。そして正式に知覧どりの採用がこの日に決定もしました。しかし、これはほんの始まりにすぎません。1ヶ月後には一般の方が試食ではなくお客様としての提供をしなければいけません。

そしてメニューデザインもいよいよ大詰めを迎えます。27日の商品撮影がメニューデザインの良し悪しを決める大事な日となります。明日は再び高槻のアトリエで行われたその撮影の模様をお伝えします。どうぞお楽しみに!

 

 

 

img_7299Webライター山崎達弥
1979年12月12生。新潟県出身。メニューデザイン研究所メディアの専属ライター。食べることと、飲食店さんをこよなく愛する山崎が執筆させて頂きました。