セーフガード発動。守る関税に、攻めた上半期のハラミ。

米国産などの冷凍牛肉の日本への輸入量が一定量を超えたため、政府は8月1日付けで緊急輸入制限(セーフガード)を発動した。期間は来年の3月31日までで、現行の38・5%の関税率を50%にまで引き上げる。輸入牛肉でのセーフガード発動は平成15年以来、14年ぶりで4度目。

 

 

セーフガードとは?

世界貿易機関(WTO)協定によって認められた、農産物に対する緊急輸入制限措置。WTOは原則として加盟国が貿易上の制限を実施することを禁止しているが、特定品目の輸入拡大が国内の競合業界に深刻な打撃を与えると思われる場合に例外的に発動できる。全品目を対象とする「一般セーフガード」と、ウルグアイラウンド農業合意で関税化が行われた品目を対象とする「特別セーフガード」の2種類がある。ただし、セーフガードの発動に対する対象国の報復関税や、それに伴う保護主義化などが懸念されている。引用:コトバンク

 

名前の通り、 “外からの安い輸入品をガードして、国産の商品を守る“ ことが本来の目的とされているが、 外国産の冷凍肉を大量に扱う大型チェーンからは早くも悲鳴があがっている。対象となる関税品はアメリカとカナダ・ニュージーランドとなる。アメリカに至っては全体シェアの約33%までにのぼる。また過半数の56%のシェアを誇るオーストラリアは日本との貿易を活発に促すため対象外となる。次に、どのくらいの関税額があがるのかを見ていきたい。

【1トン400万円のアメリカ産】
これまで:400万円に対し38.5% ⇒ 554万円(154万円分が関税額)
これから:400万円に対し50% ⇒ 600万円(200万円分が関税額)

すぐには売価に反映できない飲食店の苦渋が今回の一件にも言えそうなのだ。これは2016年にかけて仔牛の高騰した際も同じだった。実質仕入れ価格の1割が上がった状態が半年以上続くことから、何らかの行動に移す必要が今後の背景にはある。

またスーパー等の小売にも影響はでており、関税非対象のチルド(冷蔵)の量を増やす処置策が既にとられているという。冷凍の量が減り、冷蔵の量が増えると、今後は冷蔵肉の価格にも影響があると関係者は分析を残す通り、今後の動向が注目される。

 

 

 

上半期、攻めたハラミ

一方で2017年の食の話題をさらったのも “肉” である。トレンドジャーナリストの島田 始氏によると、中でも際立っていたものとして『ハラミ』を挙げている。「内臓肉料理」のひとつとして、主に牛(豚、鶏も人気)の横隔膜の背中側にあたるハラミはクセがなく、赤身でヘルシーなため、若い女性の間で指示が広がっている。「サガリ」という横隔膜の助骨側の肉もハラミとして提供する店が多い。ステーキだけでなく串焼や、野菜炒めなどメニューは豊富にあるのも人気の特長だ。

 

 

歓楽街の真ん中で人気のバール

歓楽街の真ん中で人気のバール

『A4等級黒毛和牛まるごと一頭買い』の焼肉店が手掛ける、人気のイタリアン肉バル。全28種の和牛ステーキが990円という圧巻のコスパもあり、日本のみならず多くの外国人観光客を引き付ける。女性客が7割以上占める中、圧倒的人気を誇るのがやはりハラミである。

ハラミ

人気の高さを加味してかメニューページの一番手に堂々登場させている。ファーストオーダーの注文率、そして女性客からの指示が実際にも多く、数あるステーキメニューの中でも不動だという。希少部位を数多く有すこちらだが、日によって銘柄も異なる中で、ハラミは安定した仕入れによってグランドメニューとして定着できることも人気の要因と言える。

 

 

まとめ

外国産の冷凍牛肉の規制で再び注目が集まる国産牛において、ハラミはまだまだ衰え知らずという印象でした。また国産・国外問わず、牛のおいしさ、価値を見出していくためにはメニューデザインの力が期待されるところであります。セーフガードの動向にも注視し、メニューデザインによるアプローチについても次回お届けしてまいります。こちらもどうぞお楽しみに。

 

 

山崎 達弥Webライター山崎達弥
1979年12月12生。新潟県出身。メニューデザイン研究所メディアの専属ライター。食べることと、飲食店さんをこよなく愛する山崎が執筆させて頂きました。


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