メニューは叫ぶ、激戦区東京、三茶の夜に

東京は言わずと知れた飲食店の激戦区です。たくさんあることはとても嬉しいことですが、決めきれず迷ってしまうのが悩みの種です。みなさんはいつもどうやってお店を選んでいますか?そんないつもと変わらぬ夜に、「叫ぶメニュー」に出会いました。

 

 

叫び声に溢れたメニュー

叫び声に溢れたメニュー

今宵も迷える東京の夜。ふらふらとしている所にあるお店の看板に目が止まりました。そのお店の看板にはまんべんなくメニューが書かれています。看板だけに収まりきらなかったのか、全面のガラスにまでくまなくメニューと価格が書いてあるではありませんか。その時、私にはしっかりと聞こえたのです、「COME ON!私を選んで、そして私を食べて〜!」「肉だぞ〜!」ってその叫びは途絶えることなくメニューの数だけ聞こえてくるのです。夏夜の怪談なんかではありません。ここは三軒茶屋。東京の中でも更なる飲食店の激戦区。そして冷静になって、目の前に書かれた大きな文字を読み上げます。

「肉は健康食か~ よし、今夜はここにしましょう!」

店頭演出でイメージ一新

初めて入るけど、どこか見覚えのある店内です「。。。」しばらくして、思い出しました!なるほどここは「VANSAN」だ。正式には「VANSAN」だった場所ということ。自然派ワインと有機野菜がとても美味しいイタリアンバルのお店でした。現在では「ブッチャーズ 八百八」としてリニューアルされていたことが分かりました。

昼と夜との違いはあります。業態の違いももちろんあります。でもどうでしょうか、『お肉』というコンテンツを最大限に表現する。この叫び声、シャウトを感じずにはいられないのです。唸るデザイが激戦区エリアで迷える私を導いてくれたのです。

「ブッチャーズ 八百八」の店内とメニュー

店内を見回してみますと、インテリア等の雰囲気はあまり変わってないようでした。その代わりに店内にもたくさんの看板を設置されていました。

 

手書+イラストのメニュー
手書+イラストのメニュー

手書きで商品名とお値段を大きく書くだけでもお店の雰囲気はこんなにも変わるのかと驚きです。お店も気軽に入れるようになりました。その理由として低価格のタパスが目に入り易いことが挙げられます。それに対して、お店が売りたい「お肉」はイラストにすることでしっかりとアピールされています。また最小の注文グラム数からの価格を載せることで “値ごろ感” も良くでています。「vansan」の時とそう価格差はないものの、直感で受ける “お徳” と感じる印象は大きく異なります。結果、どれもこれも注文したくなります。そうこうしている間に注文した料理が運ばれてきました。美味しそう!嬉しい!結果、私もメニューと一緒に叫んでいたのでした~!

最後に

飲食店の激戦区ともなると店頭の演出からメニューデザインにしても千差万別でした。差別化することの重要さはメニューデザインにとってもとても重要です。ですが、あえて例えるなら『百花繚乱』という言葉を好みます。お店の個性が花の様に咲き誇る。そんな店頭看板やメニューにお客さんは惹かれるからです。

静かで良い子もいいですが、時には個性むきだしで叫んでいる子の方が人目を惹きます。最初は驚かれるかもしれませんが、それが継続すれば『あの人すごい!』とか、更には『とても魅力的!』とまで言われる様になるからです。人もお店も一緒に成長しあえるメニューが作れたらそんな素敵なことはないでしょう。

周 デザイナー 周 茜旼(シュウ センミン)
10月10日生。中国広東省出身。メニューデザイン研究所東京支社クリエイティブ本部所属。マイブーム:動物・植物