外食産業の深刻な悩み、アルバイト従業員や正社員スタッフの離職率についてまとめていきたいと思います。飲食店経営者であれば「飲食業界の人材不足」という言葉を耳にしたことはあることでしょう。

 

人材不足と離職率は密接な関係にあり、飲食店経営の上で無視できない大きな問題でもあります。人材不足や離職率の問題に直面しないよう、経営側が現状を理解し対策をしておかなければなりません。

 

 

外食産業は離職率がダントツ!

数ある業種の中でも、実は「飲食サービス業」離職率が一番高いのです。

・H26.3大学卒業者における就職後3年目までの離職率

平成30年農林水産省が出している資料を見ても、宿泊業と並び、ダントツで「飲食サービス」の離職率が高いこととがわかります。大学卒業者における就職後3年目までの離職率は宿泊業、飲食サービス業は50%を超えています。これは3年以内に辞めていくという人が2人に1人という数字になります。

 

出典: 平成30年農林水産省調べ 外食・中食産業における 働き方の現状と課題について 

 

飲食業界の離職率が高い理由

離職率

なぜ飲食業界はこんなにも離職率が高いのでしょうか??その理由として考えられるものを、飲食業界を辞めていく従業員の意見も取り入れていくつかご紹介します。

 

理由その1 経営者側の意識の低さ

飲食店での仕事は単純作業が多く、特別高度な知識やスキルも必要とせず、未経験可能なところが多いため、これから働く側としては非常に手が出やすいものです。そのため、経営者目線から考えると「代わりがきく仕事」という意識になりやすくなってしまいます。そのような意識が経営側にあると、アルバイト・スタッフに対してのコミュニケーションやケアが薄れてしまいがちです。そういったコミュニケーション不足が原因で働く側はどんどん働きづらくなり、結果的に辞めてしまうことになってしまいます。

 

 

理由その2 人手不足からくる過酷な労働条件

飲食業界は、他業界と比べて労働時間が長いこともデータからわかります。その理由としては飲食業界の「人員不足」。所定外労働(早出・居残り等の残業)が発生する理由のランキングからも、ダントツ1位で「人員不足」が上がっています。

離職率統計

人手が足りないからといって、求人での採用時に「働きやすい」「昇給あり」など、いい条件ばかりを提示してしまうと、いざ働きだすと「長時間労働」や、「思ったより稼げない」などのギャップを感じて辞めていくアルバイト従業員は少なくはないようです。人手不足解消こそが、離職率改善のポイントなのかもしれません。

 

 

理由その3 やりがいを感じにくい仕事内容

飲食店のアルバイト従業員の仕事はどうしても単純作業が多くなってしまい、ついつい”同じことの繰り返し”や"言われ作業"になってしまいがちです。そうなってしまうと働く側は仕事にやりがいを感じられずに、すぐに辞めてしまいます。実際に辞めていく人の意見でも飲食店での仕事内容に対して「やりがいを感じられない」という声は多くあるようです。

 

 

理由その4 安定が見込めない業界事情

飲食業界はなかなか安定しない業界というのも理由の一つに挙げられます。TKCグループの出している平成25年度の決算速報をもとに集計した調査によると、全国の飲食店の内、利益を出している飲食店舗は約3割で、残りの7割は赤字経営という結果が出ています。

 

実際に飲食店の経営は非常に難しく、利益を出せずに閉店していくお店も少なくはありません。自分の働いているお店が赤字続きだと従業員は不安になり、安定を求めて別業種へ転職してしまいます。

 

 

 

アルバイト従業員の満足度をあげるメリット

飲食店であれば多くの場合、アルバイト従業員がお客様と接する時間が一番長くなります。従業員の満足度をあげることにより、お客様に対してのサービスの質が向上し、結果的にリピータ客ができたり、売上向上に繋がります。辞めるアルバイト従業員や正社員スタッフが減れば、採用コストの削減にも繋がり、メリットしかありません。

従業員満足度をあげることで得られるメリットをまとめました。

満足度をあげるメリット
  • 従業員スタッフの接客サービスの質が上がる。
  • 求人数増加や離職率の低下、採用コスト削減につながる。
  • 生産性の向上に繋がり、売上があがる。

 

辞める従業員が多く、お店の売上も伸び悩んでいるという飲食店は一刻も早く、アルバイト従業員の満足度をあげる取り組みをしなければなりません。

 

 

従業員満足度を上げる方法をご紹介

従業員の満足度をあげる方法

それでは具体的に、従業員の満足度をあげる施策を、繁盛店が実際の取り入れている方法をいくつかご紹介します。すぐにでも実行して、お店の課題解決につなげましょう!

 

明確な目標や意識を持たせ、業務を楽しませる

店長やマネージャーなどのお店のリーダー的な存在がスタッフに対して、明確な目標や意識を持たせて、「業務を楽しませる工夫」をすることで、従業員満足度を高められます。離職率が低いことで有名なスターバックスコーヒーでは、スタッフ一人一人に明確な目標と、お客様のために働くという意識をしっかりと持たせた上で、アルバイト従業員に働いてもらっています。その為の研修にかける時間はなんと80時間と言われています。そこまで徹底することで、アルバイトから正社員、店長まで共通認識を持って、普段の業務も楽しくやりがいを持ってこなすことができます。

 

 

スタッフアンケートを実施する

アルバイト従業員が働いている飲食店、同僚、上司に対して様々な不満を思っていても、なかなか面と向かって言えることではありません。直接聞くことが難しいのであれば、スタッフアンケートを実施することをオススメします。普段聞けない従業員の意見がたくさんもらえるので、従業員満足度向上に繋がります。チェーン展開している飲食店では、スタッフアンケートを取り入れているところも非常に多いです。

 

 

自己成長が感じられる仕組みづくりをする

アルバイト従業員やパート、正社員スタッフがしっかりと成長を感じられる仕組みができているかの見直しをしてみましょう。アルバイトを始めったきっかけを調査したアンケートによると、1位の「生活費のため」の次に多かったのが、「社会勉強のため」という回答でした。アルバイト従業員は社会経験を求めて働きにきている人が多いので、より成長を感じられる、職場であれば、比較的従業員満足度は高められます。

 

塚田農場経営している株式会社エー・ピーカンパニーではCIS(Customer Impressive Satisfaction=お客さま感動満足)=EIS(Employee Impressive Satisfaction=従業員感動満足)=売り上げという考え方を、アルバイトにも教授して、従業員の意識向上や、成長に繋がる取組みをしています。

 

参考: 楽しい!ためになる!学生バイトの満足度は?

 

 

従業員にプロ意識を持たせる

アルバイト従業員や、正社員スタッフにプロ意識を持たせることができれば「やりがい」を感じて仕事をしてもらいやすくなります。とある某飲食店では、その日の売上や反省点、お客様から頂いた声などを、アルバイト従業員がスタッフ全員に向けてグループLINEで情報共有をしています。アルバイトという枠を超えた発言をさせることで、雇用形態や役職に関係なく、店長や経営者と同じ目線で働けるようになります。

 

 

労働条件・環境の改善

手っ取り早く離職率を抑えたいのであれば、労働環境の改善も必要に応じて変えていかないといけません。特に飲食店の抱える労働条件の問題点としてよく挙げられるのが、「長い労働時間」「安い賃金」です。労働条件の見直しをして、シフトの融通がきくようにしたり、給料アップの仕組みづくりをしたりなど、福利厚生の充実、労働条件改善ができれば離職率も抑えられます。

 

ハンバーグレストランで有名な「びっくりドンキー」でも、労働条件の見直し・改善を行い、定着率80%代から4〜5年で94%を誇るまでに向上しています。

 

※定着率とは...その仕事に就いていた従業員のうち、一定期間(1年あるいは3年など)にどれくらいの人が仕事を続けていたかを比率として表したもの。

 

 

最後に

以上、「離職率」をテーマにまとめていきました。飲食店経営者は辞めていく従業員をほうっておいてはいけません。飲食店で働く従業員の満足度を上げる事で、離職率を抑えるだけではなく、飲食店経営において様々なメリットをもたらしてくれます。離職率を抑えるための取り組みが今後の飲食店経営の明暗を分けるのではないでしょうか。

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