中尾
メニューデザイン研究所のアートディレクター中尾です。

 

突然ですが、京都の店頭(飲食店)にどのようなイメージをもたれていますか?

景観を壊すことのない控え目な店頭をイメージされるかと思います。ただそれでは他店との差別化はできません。今回は京都を舞台に街の景観に馴染みながらも個性を巧く表現している店頭をご紹介します。

 

1店名はあえて控えめな暖簾と提灯

店頭暖簾と提灯

お店のアイコンとして使用されることが多い暖簾や提灯には、たいてい「店名」が大きく掲載されています。しかしこちらのお店では店名の「店名」よりも、串焼きのイラストが大きく掲載されているのが見て分かります。業態特徴を文字とイラストで伝えることで、結果的に店名がすんなりと伝わる暖簾と提灯でした。

 

提灯の○○に注目!

店頭暖簾と提灯

こちらも店名ではなくどんな料理でどんなドリンクと楽しむのかを文字と京都らしい色合いで表現。この2店舗の提灯の文字位置にさらに巧さがあります。 どこかわかりますか? 正解は提灯の正面ではなく、”斜めに文字入れ” されていることにあります。手前10mからでも通行人の目線に入るため、お店が並んでいる場所には有効です。

 

3時代劇風暖簾で潔し

店頭暖簾と提灯
高瀬川沿いに佇むお店にやってきました。お店がズラッと並ぶ木屋町や先斗町と違い、点々とするこちらのエリア。うっすらと灯る明かりの下で、筆文字の力強い書体はなんとも潔よく感じる店頭です。ここだけ時間が止まったような錯覚も覚える時代劇風の暖簾でした。

 

4縁起を感じさせる手書きPOP

手書きPOP

京都の花街では縁起ものとしてお祝い目録というものを店前に出します。華やかに京都らしさがありつつお店の特徴、名物を巧く表現している店頭メニューだと思います。

 

5書き文字が整列って誰が決めた?

手書きPOP

手書き文字が多い京都の店頭ツールにおいて動きのある文字でインパクトとオリジナリティを表現。旬の食材達が所狭しと踊っています。

 

6インバウンド向けの和を表現

インバウンド向け店頭POP

先斗町の伝統的な京都とは一線を画す新京極通は、エンタメ性の高いエリアです。若者の他にも外国人観光客が多く行きかうため、こちらのお店では店頭もおのずと ”よそいきの表情” に変わります。アルファベットで構成された店頭はクールジャパンを想起させ、インバウンドの期待値を高める店頭です。

 

7一軒でもチャイナタウンな店頭演出

手書きPOP

突如京都の街に現れた中華な店頭に思わず足が止まります。しかし、周りを見渡してもチャイナタウンは見当たらず、この一軒のお店が放つ空気だけがアジアな雰囲気をつくりだしていました。無造作に置かれた木札POPですが、その幾つかは壷に隠れて見えなかったりもします。意図的にされたかは分かりませんが、これがかえってリアリティを生みだしていました。

 

8写真がないことで生まれるライブ感

写真を使用しない店頭表現

無駄のない京都らしい業態訴求が見事にパッケージ化された店頭です。パソコンフォントで作成されているメニューは小さなスペースに貼られても分かりやすさを維持しています。そして小窓から見える土手焼きの湯気と店内のライブ感は外まで伝わってきます。写真を一切使用しなくても、一つ一つのツールに個性があり、全てに意味のある店頭表現は正に秀逸そのものです。

 

9特徴のあるアイコンでらしさを表現

デザインされた店頭アイコン

デザインされたアイコンで今っぽさと、京都らしさ、業態特徴を表現。それだけでは情報が伝わらない中で店内に貼るPOPが店頭まで出現し、具体的な情報も店頭で訴求されていました。

 

 

山崎
いかがでしたでしょうか?最後まで出番がなかったMEDIYライターの山﨑です。
昼間の京都を下見も兼ねて散策してみました。エリアによって客層が異なる京都は、店頭看板を見ればそのエリアの雰囲気がおのずと分かることに気づきました。この日の京都は38℃超えともあり、長くは歩くことができませんでしたが、京都の看板はまだまだ奥が深いということだけを告げて京都の回は終えたいと思います。
そしてもうひとつ!メニューデザイン研究所ではこのようなインプットを日々行いながら、お店にぴったりなデザインを日々研究しています。私達の取り組みはこちらからもご覧頂けますので是非こちらもご覧ください!

 

 

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