【インタビューシリーズ 第一弾】 飽くなき挑戦者たち 〜日本蕎麦店 TANAKAYA〜

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この度、米国にて活躍する方にインタビューをする企画を立ち上げました。
これからアメリカ進出またはアメリカの食事情に関心のある方に有意義な情報をお届けできるよう、現地の生の声をライターの野間がお届けいたします。

今回は 企画第一弾としてカリフォルニア州タスティン市にて本格的日本蕎麦店を出店したTANAKAYAさんを訪ねました。

TANAKAYAは群馬県高崎市にて1948年創業の老舗の「そば処 田中屋」さんです。現在の三代目店主である田中氏の祖父母が開業しました。
高崎駅前という好立地と家族的なサービスで、何十年もの間地元の人達に愛されて来た店を閉店し、2014年にアメリカの新天地での開業を成し遂げます。
その経緯や海外出店に際しての、アドバイスなどを伺ってみました。

目次

Q1)アメリカで出店しようと思った経緯をお聞かせください。
Q2)進出のために踏んだ手順を詳しく教えていただけますか?
Q3)現地でぶつかった壁は何ですか?
Q4)メニュー内容等をカスタマイズした部分はありますか?
Q5)アメリカと日本の顧客の違いについてお聞かせください。
Q6)今後の目標、展望についてお聞かせください。
Q7)これからアメリカに進出したい方にアドバイスを一言お願いします。

 

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NOMA
Q1)アメリカで出店しようと思った経緯をお聞かせください。

田中オーナー
店舗の立地は大変良かったのですが、駐車場の問題や大手レストランチェーン店の出店、コンビニの高品質化など、家族経営の飲食店にはビジネス環境の変化に対しての見通しが立てられなかったことが、理由の一つです。
また、古くからのお客様が多い故に大幅な価格改定も難しく、八方塞がりでしたので、過去にカリフォルニアに住んでいた経験を活かし、アメリカへの出店を決断しました。

NOMA
Q2)進出のために踏んだ手順を詳しく教えていただけますか?

田中オーナー
先ずは労働許可(ビザ)が取得できるかの調査と、申請をして頂く弁護士とのミーティングを重ねました。観光者として数回渡米し、現地調査とあわせて厨房機器販売会社、施工会社の方々ともお会いしました。ある程度の目途が立ったので、長期滞在のビザを取得し、本格的に渡米して開店準備を始めました。

次に飲食店を始めるのに必要な手続き、許可等を調べました。アルコールライセンスの新規取得は非常に厳格で、店舗近隣の住民に対しての通知(異議の確認)が求められ、近隣住民からの異議申し立てがあればライセンスの発給は困難になることもあるとわかりました。(ウイスキー等のハード リカーライセンスの新規取得はさらに困難と言われ、非常に高価で売買されています。)渡米してから賃貸契約まで約1年、その後各許可の取得や工事でさらに約1年かかり開店することができました。

日系の不動産会社や、日本人エージェントの方に条件を伝えて探してもらうことが一般的なようですが、結果としては許認可の申請および各ライセンス取得は自分で行いました。

NOMA
Q3)現地でぶつかった壁は何ですか?

田中オーナー

想像以上に「時間」がかかりました。現地視察の段階で、居ぬき物件を選択した場合は開店まで1年以上がかかるとは聞いていましたが、なぜそんなにも時間が必要なのか理解できていませんでした。しかし実際に進めてみると、許認可申請において追加書類や調理手順の提出、市の工事許可を得るにも保険局の許可を得た後であったりと、非常に厳格で複雑に関係していることがわかりました。

アメリカでは様々なビジネスが売りに出されていて、営業中のレストランが売りに出ているのもよく見かけます。極端ですが、購入すれば翌日からでも営業を始めることもできるのですが、当方には製麺室やゆで釜が必要であったため、結果的には営業権の購入ではなく、居ぬき物件を改装することに決めました。

レイアウトが自由に変更できることが一番の理由ですが、営業している店舗を購入する場合は各許認可を得て営業しているので厨房設備の配置を含め、基本的には変更が一切出来ないことがわかりました。

しかし、図面を作成してゼロからの申請となるため、保険局や消防局、市役所、環境局等の立ち合い検査を受ける必要があります。内装工事に関しては、開始前、開始後、完了後と進捗に応じて立ち合い検査があり、最終的に工事開始から開店まで1年を必要としました。

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NOMA
Q4メニュー内容等をカスタマイズした部分はありますか?

田中オーナー
特にありません。
NOMA
Q5アメリカと日本の顧客の違いについてお聞かせください。

田中オーナー
ざる蕎麦の上から直接そばつゆをかけてしまう方や、徳利の中に、ゆっくりお蕎麦を入れて食べようとしているお客様がいたりと、まだまだ、寿司やラーメンのように知名度がある食べ物ではないこともあり、日々新しい発見があります。
NOMA
Q6)今後の目標、展望についてお聞かせください。

田中オーナー
「アメリカで蕎麦を広める」という大義を常に意識して、今のペースでやっていきたいと思っています。

NOMA
Q7)これからアメリカに進出したい方にアドバイスを一言お願いします。

田中オーナー
日本から得られる情報は非常に少なく、現地視察は非常に有益でした。当方の場合は製麺機、ゆで釜の設置が必要であったために居ぬき物件を選択しましたが、工事が不要な居抜き物件や現在営業中のビジネスを購入すればすぐにでも営業は可能です。リカーライセンス付きのビジネスもありますので、その場合はすぐにアルコールの提供もできます。
出店規模や出店予定の州、郡によって様々なルールが異なりますので、まずは出店予定地の日本食事情を見聞きすることが良いかとは思います。

米国で日本の蕎麦文化を広めることに情熱を燃やすTANAKAYAさん。
今後のますますのご発展を楽しみにしています!

本日はとても勉強になりました。ありがとうございました。

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TANAKAYA
654 El Camino Real, Tustin, CA 92780
Tel: 657-231-6245



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