居酒屋の原風景を今に継ぐ、創業100年 新開地の焼鳥屋さん。

GW明けの気分を盛り下げる2日連続の雨。でも大丈夫、そんな時こそチャンスが!

連休中の消費疲れに雨が追い討ちをかけ、購買意欲は顕著に減退した模様です。と言いますのも、いつもは予約を受けない(厳密には17時のみだけ可)お店が今日は暇だということで特別に20時からの予約を受け付けてくれたからです。アンニュイな気分の時こそ人気店を巡るチャンスなのかもしれません!

 

訪れた新開地はかつては神戸の中心的市街地。現在は三宮に業務機能が集中しているものの、オフィスや店舗の多い歓楽街です。地下の改札から地上に出て、緩い坂となった商店街を少しのぼると左に路地が出てきます。それを右に折れた先に本日のお店があります。

 

取材店舗様

新開地 八栄亭

 

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いつもは賑わいを見せるカウンターも今日は一休み。とは言っても先客は既におられ私達が席に着くと残す席はもうさほどしか残っていません。こちらは入り口の暖簾にもある様に創業100年を超える老舗の焼鳥屋さんです。店内も情緒たっぷり、感慨もひとしおですがそんなお店のメニューが気になります。

 

シンプルな商品ラインナップです。その分、焼鳥を食べる!という目的がより色濃くなります。

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「かわ、み、しんぞう」を頂きます。どちらも2串 300円。右上の【一品】の中には「すずめ」まであります。11月~2月までの時価とありますから、すずめの旬は冬なのでしょうか。

 

 

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居酒屋の原風景を見る
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先客の串に混じって私の串も焼き場に着きました。焼き場の真正面に座らせて頂きましたが座ってみると焼き場との近さに改めて驚かされます。覗き込んでみますと、炭火の火加減は最高潮を迎えており新鮮な生肉を焦がし始めました。

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焼き場との距離が近い、ただそれだけのことですがいつもの光景とは違って見えます。店員さんとの距離、肉の焼ける音、焼ける香り、聞こえてくるNHKの歌謡ショーに先客の焼鳥の焼具合、、、等々。様々な情報を間近で見たり聞いたりしていると、初めてのお店とは思えない懐かしさがこみあげてきます。これが居酒屋の原風景なのか?そう思うと激しくお腹が空いてきました。

100年前の飲食店はこんな近さが当たり前だったのかもしれません。できあがる料理のさまを見て私もあれ食べたいと頼んでいたのかも。何にもまして頼みたくなる光景はメニューブックにとっての原風景でもあるのかもしれません。

想像はここまで!今は目の前の焼鳥を食べることに集中します。

 

かわ

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しんぞう

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ずっと見てました。焼き上がりが目の前に出されるその瞬間までも。無駄な所作は一切無く、噛み締めると溢れる出る脂の一滴までもがこの旨さを称えています。

食べながら見ていますと、客席から向かって左から右に焼き台は傾いており、最も低い右端下にはタレ壷がありました。焼き上がりに出る余分な脂は傾斜を下りタレ壷へと落ちていきます。結果、流れ出た余分な脂さえも伝承のタレを作り出していたのです。

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一方左端には熱伝導で温まっているお湯が張られていました。お燗付けができる仕組みとなっておりこれもまた無駄が一切ありません。

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創業100年という響きで、職人気質なオヤジさんを勝手に想像していましたが予想に反して、若いお姉さんがカウンターの中にひとり立ち焼き場を守っておられました。奥のドリンク場ではお酒を注ぐもう一方。そして小さな手を一杯に広げて水を運ぼうとする女の子の姿が。

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お話を聞くと焼き場のお姉さんはこちらの4代目の女将さんであり、女の子は女将さんのお子さんでした。お母さんのお手伝いを買ってでる姿は微笑ましく、お客さんの視線を一身に集めていました。かっこよく働くお母さんに5代目の意識が早くも芽生えているのかもしれません。

 

 

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一見すると煩雑に見える装飾もそのすべてに意味がある様な気がしてきます。これも100年の歴史が織り成す空気なのでしょうか。吸い込むと初めてでも懐かしい香りがする『八栄亭』さんでした。

 

 

取材店舗様

八栄亭

兵庫県神戸市兵庫区新開地2-6-15

078-576-2474